健康
黄色いイチョウの落ち葉が一面に広がる公園で、しま模様の服を着て舞う葉の中に立つコーギー
Foods to Avoid健康コラム

犬が銀杏を食べた・踏んだら1粒でも危ない理由と、殻・果肉・イチョウの葉の違い

Osanpo編集部公開 2026.10.03
★ 保存版読了 6分

銀杏は、犬には1粒でも食べさせないでください。食べた・くわえたかもしれないときは、量にかかわらず動物病院に電話してください。

秋の散歩道。イチョウの木の下に、つぶれた黄色い実が落ちていることがあります。あの独特のにおいのもとが、銀杏(ぎんなん)です。人でも食べすぎると中毒を起こすことがある食べもので、散歩中に拾い食いした犬の報告もあります。

もう口にしてしまった方は、先に1章へどうぞ。

🏥 犬が銀杏を食べた・くわえた・踏んだら、今すぐすること

結論から書きます。銀杏を食べた・かじった・くわえたかもしれないときは、量にかかわらず、症状が出るのを待たずに動物病院へ電話してください。夜なら、夜間救急の動物病院に連絡しましょう。

こんなとき / すること

散歩中に拾い食いした・落ちていた銀杏を食べた
すぐ動物病院に電話
殻ごと飲み込んだ
すぐ電話。中毒のほかに、殻が胃に残ることもある
くわえた・舐めた・果肉だけかじった
口の中に残っていれば無理のない範囲で取り出し、電話で相談。「少しだから」と自分で決めない
茶碗蒸しや炒り銀杏など、調理した銀杏を食べた
すぐ電話。加熱しても、中毒を起こす成分は残る
イチョウの葉を食べた
電話で相談
踏んだ
帰ったら足を洗う(5章)
⚠ 自宅で吐かせる方法(塩を飲ませる、など)は絶対にやらないでください。塩や塩水は塩中毒を起こす危険が高く、吐かせる目的で使ってはいけません。吐かせる処置が必要かどうかも含めて、動物病院で判断してもらえます。

電話の前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。

メモすること / 例

何を
「道に落ちていた銀杏」「炒り銀杏」。殻つきだったか、割れていたか、果肉がついていたか
いくつ
分かる範囲で。「分からない」も大事な情報
いつ
「散歩の途中、30分前」など
体重
ふだんの体重

残っていた実や吐いたものがあれば、袋に入れて持って行きましょう。

🔬 銀杏はどこが危ない?中身・殻・果肉・イチョウの葉

道に落ちている銀杏は、外側からやわらかい果肉、かたい殻、中の実(人が食べる部分)の3層になっています。

図解「銀杏のつくりと、危ないところ」:銀杏の断面に3つの説明。果肉は、においが強い、人はかぶれることも。殻は、かたくて消化されにくい。中の実は、中毒の成分、加熱しても残る

部分 / 危ないこと

中の実(食べる部分)
中毒を起こす成分が入っている。加熱しても残る
かたい殻
消化されにくく、胃に残ることがある
果肉
人では、肌がかぶれることがある成分を含む。においが強い
イチョウの葉
かぶれる成分が少し含まれる。犬が食べたときのことは分かっていない

中毒の成分は、4′-O-メチルピリドキシン(ギンコトキシンとも呼ばれます)という物質です。体の中ではビタミンB6とよく似た形をしていて、B6のはたらきを邪魔します。B6は、興奮した神経を落ち着かせる物質を作るのに欠かせないビタミン。これが足りなくなると、神経が興奮しすぎて、震えやけいれんが起こります。

白いお皿の上に、黄色いイチョウの葉と、白い殻の銀杏が3つ、だいだい色の果肉に包まれた実が1つ
白い殻のものが、お店で見かける銀杏。道に落ちたばかりの実は、だいだい色の果肉に包まれています

「茹でたら大丈夫?」と思うかもしれません。茹でたり電子レンジで温めたりすると成分の形は変わりますが、変わったあとの形でもけいれんを起こすことが、薬学の研究で確かめられています。茶碗蒸しや炒り銀杏も、生の銀杏と同じに考えておくと安心です。

⚖️ 犬が銀杏を1粒食べても大丈夫?

犬が銀杏を何粒までなら大丈夫かは、分かっていません。だから答えは「1粒でも食べさせない」です。

犬の銀杏中毒は報告がとても少なく、獣医師の論文でも、犬の中毒量は「不明」とされています。人でも、子どもに起きやすいことが報告されています。「これくらいなら平気」と言える線は、どこにも引かれていません。

⏱️ 銀杏中毒の症状は?何時間で出る?

2023年、福岡の動物病院から、散歩中に銀杏を拾い食いした犬の例が報告されています。銀杏中毒が疑われたケースです。

14歳のその子は、散歩で落ちていた銀杏を少なくとも何個か食べ、約3時間後に足が震えはじめました。病院に着いたときには、自分で立てず、ぼんやりしていました。ビタミンB6などの治療を受けて回復しましたが、散歩からたった3時間で、立てなくなるほどの症状が出ています。

報告された犬に見られた様子です。

  • 吐く
  • 足が震える
  • ふらつく、自分で立てない
  • よだれが多い
  • ぼんやりして、反応がにぶい
  • 目の黒いところ(瞳孔)が大きい

人の銀杏中毒では、けいれんが起きることもあります。

症状は、食べてから何時間かたって出ることがあります。症状が出るのを待つ必要はありません。食べたと分かったときが、電話のタイミングです。

秋の散歩のあと、しばらくしてから急に震える、吐く、ぼんやりしている。そんなときは、銀杏を口にしていなかったか、思い出してみるとよいでしょう。

🐾 銀杏を踏んだら?帰ったら足を洗う

銀杏の果肉には、人の肌がかぶれることがある成分(ギンコール酸)が含まれています。犬の足でも同じことが起きるかは分かっていませんが、においも強く残ります。踏んだ日は、帰ってから足を洗ってあげましょう。

石畳の上に投げ出された、白と茶色の犬の前足の肉球のアップ
指の間に果肉が入り込んでいないかも、見てあげると安心です
  • ぬるま湯で、指の間まで洗い流す
  • 洗う人は、素手で果肉に触らないのがおすすめ(手袋があると安心)
  • 洗ったあとは、指の間までよく乾かす(肉球ケアの記事も参考に)
  • 赤くなる、かゆがる、足をしきりに舐めるときは、動物病院に相談(足を舐めるのはなぜ?)

🍂 散歩中の銀杏の拾い食いを防ぐには

イチョウは公園や街路樹でよく見かける木です。散歩コースから外せないことも多いので、歩き方で守りましょう。

黄色く色づいたイチョウの葉のあいだに、丸い銀杏の実がひとつなっている枝
銀杏の実がなるのは、雌の木だけです
  • 実がなるのは、雌の木だけ。あの独特のにおいがしたら、足元に銀杏がある合図
  • 人がよく通る道の銀杏は、踏まれて殻が割れ、中身が出ていることがある。報告された犬が食べたのも、散歩道の銀杏だった
  • つぶれた実が多い場所は避ける。通るときはリードを短く持ち、地面に鼻を寄せたら止める
  • 家で銀杏を調理するときは、殻をむくそばに犬を近づけない。床に落ちた実はすぐ拾う
  • 黄色いイチョウと一緒に写真を撮るなら、実の落ちていない並木を選ぶ(うちの子を可愛く撮るコツ)

犬に危ない食べものは、ほかにもあります。ぶどう、玉ねぎ、チョコレート、キシリトール、アボカド、コーヒーやお茶もまとめています。

秋の散歩で拾わせたくない実は、銀杏だけではありません。どんぐりを食べたときのことは別の記事に、栗によく似たトチの実の見分け方は栗の記事にまとめています。

秋の栗の木の枝先で、割れたイガからのぞくつやのある栗。手前には殻が割れて黄色い中身が見えるゆで栗
📖 あわせて読みたい
犬に栗をあげてもいい?

💬 よくある質問

Q茶碗蒸しに入っていた銀杏を食べてしまいました。火が通っていても危ない?

危ないと考えてください。加熱すると中毒の成分の形は変わりますが、変わったあとの形でもけいれんを起こすことが確かめられています。炒り銀杏や炊き込みごはんの銀杏も同じです。生の銀杏と同じように、食べたら動物病院に電話してください。

Q吐いたので、もう出たと思います。様子見でいい?

様子見はしないでください。吐いたもの以外に、胃に残っていることがあります。報告された犬も、吐いたものの中の銀杏は1個でしたが、実際にはもっと食べていました。症状は何時間かたってから出ることもあります。

Q前に1粒食べたけど、平気でした。

たまたまだった可能性があります。犬で何粒から危ないかは分かっておらず、次も平気だという保証はありません。あげない・拾わせないのがいちばんです。

Q散歩中に、イチョウの落ち葉を食べてしまいました。

葉にも、かぶれる成分が少し含まれています。犬が葉を食べたときにどうなるかは分かっていないので、「葉っぱだから大丈夫」と自分で判断せずに、動物病院に電話で相談してください。落ち葉と一緒に銀杏を口に入れていないかも、見ておくと安心です。

Q犬は銀杏のにおいが好きなの?

実は、よく分かっていません。獣医師の論文でも、犬は銀杏の味やにおいを好まないのかもしれない、としつつ「詳細は不明」とされています。ただ、散歩中に拾い食いした犬の報告はあります。「くさいから食べないだろう」と思わずに、拾わせないのがいちばんです。

Q落ち葉に飛び込むのが大好きです。イチョウの落ち葉でも大丈夫?

実のなるイチョウの下では、落ち葉の中に銀杏が隠れていることがあります。飛び込んだあとに口をもぐもぐしていないか、足に果肉がついていないかを見てあげると安心です。遊ぶなら、実の落ちていない場所を選ぶと銀杏の心配が減ります。落ち葉そのものは食べさせないでください。

📚 出典・参考

この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。誤食のときは、この記事に戻るより先に動物病院へ連絡してください。

Osanpo編集部の犬、源
著者
Osanpo編集部
相棒は源(ボストンテリア・8歳)
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