
犬が どんぐりを 食べた・ 丸呑みしたら松ぼっくり・ センダンの 実など、 散歩で 拾う木の 実も
犬がどんぐりを食べた・丸呑みしたかもしれないときは、量にかかわらず動物病院に電話してください。
「少しなら大丈夫」と書かれていることもありますが、犬で何個から危ないかは分かっていません。どんぐりを食べたあとに、肝臓や腎臓を傷めた犬の報告もあります。
秋の公園や雑木林は、どんぐりでいっぱいです。散歩中の犬がどんぐりを口にするのは、よくあることです。だからこそ、食べたときにどうするかを先に知っておくと安心です。もう口にしてしまった方は、先に1章へどうぞ。
🏥 犬が どんぐりを 食べた・ 丸呑みしたら、 今すぐ する こと
結論から書きます。どんぐりを食べた・丸呑みした・かじって飲み込んだかもしれないときは、症状が出るのを待たずに動物病院に電話してください。夜なら、夜間救急の動物病院に連絡しましょう。
こんなとき / すること
- 1個だけ食べた・丸呑みした
- すぐ電話で相談。「1個だから」と自分で決めない
- いくつも食べた・何個食べたか分からない
- すぐ動物病院に電話
- 帽子(殻斗)や殻のかけらを飲み込んだ
- 電話で相談。「かけらだから」と自分で決めない
- くわえた・噛んだけれど、飲み込んでいない
- 追いかけたり口をこじ開けたりせず、おやつと交換で出させる。かけらを飲み込んだかもしれないなら電話
- 家で干していた・飾っていたどんぐりを食べた
- すぐ電話。何日かに分けて食べていなかったかも伝える
- 吐いた・下痢をした・元気がない
- すぐ電話(症状は3章)
電話の前に、次のことをメモしておくと話が早く進みます。
メモすること / 例
- 何を
- 「公園に落ちていたどんぐり」「子どもが拾ってきたどんぐり」。帽子つきだったか、割れていたか
- いくつ
- 分かる範囲で。「分からない」も大事な情報
- いつ
- 「散歩の途中、30分前」など
- 今の様子
- 吐いたか、下痢、元気や食欲。何もなければ「今は元気」
- 体重
- ふだんの体重
残っていたどんぐりや吐いたものがあれば、袋に入れて持って行きましょう。

🌰 どんぐりは 犬に 危ない? 1個・ 少量なら 大丈夫?
どんぐりは、犬のおやつには向きません。拾ったものはもちろん、おやつとしてあげるのもやめておきましょう。
何個までなら平気?
犬で何個から危ないかは、分かっていません。獣医師の論文にも、そう書かれています。量で線を引けないので、食べたら電話で相談するのがいちばん確かです。
どんぐり中毒の原因は?何が危ない?
危ないこと / どうなるか
- 詰まる
- かたい殻が消化されにくく、胃や腸に詰まる(腸閉塞)ことがある
- 渋みの成分(タンニン)
- 胃腸を荒らし、吐く・下痢のもとになる。肝臓や腎臓を傷めた犬も報告されている
獣医師の論文では、どんぐりを食べたあとに肝臓と腎臓を傷めたラブラドールが報告されています。その子は集中治療を受けて回復しました。人が食べるためにベランダで干していたどんぐりを何日もかけて食べ、腎臓を傷めて透析を受けた犬もいます。

噛んで割るだけで、飲み込まない子は?
どんぐりを見つけると、噛んで割って遊ぶ子もいます。食べていないように見えても、割れた殻や中身のかけらを飲み込んでいることがあります。口に入れたら、おやつと交換して出させるのがおすすめです。
⏱️ どんぐりを 食べた あとの 症状 (吐く・下痢)と、 出るまでの 時間
どんぐりを食べた犬に見られることがある様子です。
- 吐く
- 下痢をする(血が混じることもある)
- 元気がない
- ごはんを食べない
- お腹を痛がる、触られるのを嫌がる
- 白目が黄色っぽい
- おしっこの量が少ない
このうちどれか1つでも見られたら、すぐに動物病院に電話してください。白目が黄色っぽいことと、おしっこが少ないことは、肝臓や腎臓の具合が悪いときのサインです。
何日くらい様子を見ればいい?
食べた直後に元気でも、安心するのはまだ早いかもしれません。報告されたラブラドールは、食べたどんぐりを吐いたあと、3日かけて元気と食欲がなくなり、4日目に病院へ運ばれました。
病院で「様子を見ましょう」と言われたときも、数日は、うんち・食欲・元気・おしっこの量を、いつもより気にかけてあげると安心です。日にちで区切らずに、いつもと違うと感じたら、その時点で電話するのがおすすめです。どんぐりがうんちに出てきたかも、見ておくとよいでしょう。
🍂 どんぐりの ほかに、 散歩で 拾わせたくない 秋の 木の 実
秋から冬の散歩道には、どんぐりのほかにも木の実が落ちています。

犬がセンダンの実を食べたら
センダンは、街路樹や庭木に使われる木です。秋に黄色い楕円形の実をたくさんつけ、葉が落ちたあとも実が枝に長く残ります。どんぐりの季節が終わった冬の散歩道でも、木の下に落ちた実を見かけるかもしれません。
センダンの実は、命に関わる中毒を起こすことがある実です。実には中毒を起こす成分が多く含まれていて、動物では食べてから数時間のうちに、吐く・下痢・ふらつき・震え・けいれんなどが起こることがあります。中毒が多いのは、実が熟す秋から冬です。
センダンの実を食べた・かじったかもしれないときは、すぐに動物病院に電話してください。時間がたって元気そうに見えても、自分で大丈夫と決めないことが大切です。
犬が松ぼっくりを食べた・かじったら
松ぼっくりをくわえて遊ぶのが好きな子もいます。かたくとがったかけらで口の中を切ったり、飲み込んだかけらが胃や腸に詰まったりするおそれがあるので、かじり始めたらおやつと交換するのがおすすめです。飲み込んでしまったときも、動物病院に電話で相談するのが確かです。

銀杏とトチの実
イチョウの木の下に落ちている銀杏は、1粒でも中毒を起こすことがある実です(犬が銀杏を食べたときの対処)。栗によく似たトチの実も犬には毒です(トチの実と栗の見分け方)。
🦮 散歩中の どんぐりの 拾い 食いを 防ぐには
どんぐりの木は、公園や雑木林、神社の境内など、散歩で通る場所によくあります。秋のあいだは、歩き方と、口に入れたときの取り上げ方がポイントです。

- 犬より少し先に足元を見て、どんぐりがたくさん落ちている場所は避ける
- 通るときはリードを短く持ち、地面に鼻を寄せたら止まって呼び戻す
- 口に入れたら、追いかけたり口をこじ開けたりしない。取り合いになると、慌てて飲み込んでしまうことがある。おやつを見せて、交換で出させる
- ふだんから、おもちゃとおやつの交換で「ちょうだい」の練習をしておく
- 子どもが拾ってきたどんぐり、工作や飾りに使うどんぐりは、犬の届かない場所に置く。干していたどんぐりを何日もかけて食べた犬の例もある
- 落ち葉の中で写真を撮るなら、どんぐりやほかの実が落ちていない場所を選ぶ(うちの子を可愛く撮るコツ)
💬 よく ある 質問
どんぐりの危なさのもとは、渋みの成分(タンニン)と、それが体の中で変わってできる物質だと考えられています。胃腸を荒らして吐く・下痢のもとになるほか、獣医師の論文では、どんぐりを食べたあとに肝臓や腎臓を傷めた犬が報告されています。犬で何個から危ないかは分かっていないので、食べたら量にかかわらず動物病院に電話で相談してください。
それだけで大丈夫とは言えません。報告された犬も、どんぐりを吐いたあと3日かけて元気と食欲がなくなり、肝臓と腎臓を傷めていました。自分の判断で様子を見ずに、吐いたことも伝えて動物病院に電話してください。
うんちに出てくるかを見るのは大切ですが、出てきたからといって安心はできません。どんぐりを食べた犬では、何日かたってから元気や食欲がなくなった例もあります。まず動物病院に電話で相談し、そのあとも数日は、うんち・食欲・元気・おしっこの量を気にかけてあげると安心です。うんちが出ない、吐く、ごはんを食べないときは、すぐに連絡しましょう。
動物では、食べてから数時間のうちに症状が出ることが多いとされています。吐く・下痢のあとに、ふらつき・震え・けいれんなどが続き、命に関わることもあります。症状が出るのを待たずに、食べた・かじったかもしれないと分かった時点で、すぐに動物病院に電話してください。センダンの中毒は、実が熟す秋から冬に多く起きています。
分からないままでかまわないので、動物病院に電話してください。通った道にあった木(どんぐり・センダン・イチョウなど)や落ちていたもの、口に残っていたかけらを伝えると手がかりになります。口の中に残っていれば無理のない範囲で取り出し、吐いたものがあれば、袋に入れて持って行くと役に立ちます。
おすすめしません。シイの実やマテバシイは、人がアク抜きをせずに食べられる数少ないどんぐりで、渋みは少なめです。それでも、かたい殻ごと飲み込めば詰まる心配はほかのどんぐりと変わりません。落ちているどんぐりの種類を見分けるのもむずかしいので、どのどんぐりでも、食べたときの対処は同じです。
子犬でも成犬でも、することは同じです。量にかかわらず、動物病院に電話で相談してください。子犬はなんでも口に入れて確かめる時期なので、どんぐりの季節は、どんぐりの木の下を避けて歩くとよいでしょう。
くわえて遊ぶのが好きな子もいますが、かじるとかたいかけらで口の中を切ったり、飲み込んだかけらが胃や腸に詰まったりするおそれがあります。かじり始めたら、おやつと交換するのがおすすめです。飲み込んでしまったときは動物病院に電話し、吐こうとする、よだれが多い、ごはんを食べない、うんちが出ないといった様子があれば、それも伝えてください。
📚 出典・ 参考
この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。誤食のときは、この記事に戻るより先に動物病院へ連絡してください。
- Camacho F, Stewart S, Tinson E(2021)「Successful management of suspected acorn (Quercus petraea) toxicity in a dog」Can Vet J 62:581–585——どんぐりを食べた7歳のラブラドールが、割れたどんぐりを吐いたあと3日かけて元気・食欲がなくなり、4日後に受診。肝障害と急性腎障害を起こし、集中治療で回復。著者の知る限り犬で初めての報告。毒性はタンニンとその代謝物によると考えられている
- Jung S, Ahn W, Lee T, Nam A(2026)「Successful hemodialysis treatment of suspected acorn toxicosis in a Bedlington terrier」Can Vet J 67(5):516–520——人が食べるためにベランダで干していたどんぐりを8日にわたって食べた犬が、嘔吐・元気消失・尿量の減少で受診し、急性腎障害を透析で治療。犬のどんぐりの中毒量は分かっていない
- Veterinary Poisons Information Service(2020)「Oak and acorns (Quercus species)」——秋に犬がどんぐりを食べるのはよくある。嘔吐・下痢(血が混じることも)、元気消失、腹部の痛み、食欲不振。消化管閉塞の危険。多量・長期の摂取で腎臓・肝臓の障害の報告
- Nagy AL ほか(2023)「Emerging Plant Intoxications in Domestic Animals: A European Perspective」Toxins 15(7):442——センダンの果実にはメリアトキシンが多く含まれ、症状は食べて間もなく現れる。嘔吐・下痢・腹痛のあと、ふらつき・けいれんなどの神経症状、呼吸不全による死亡もある。中毒の多くは果実の熟す秋から冬に起きる
- Ferreiro D ほか(2010)「Chinaberry tree (Melia azedarach) poisoning in dog: a case report」Top Companion Anim Med 25(1):64–67——センダンの実を食べた犬が震えなどを起こし、数時間で悪化。手術で実を取り出し、回復
- 森林総合研究所 九州支所「センダン」——街路樹・庭木にする。核果は楕円形で熟して黄色になり、落葉後も木に長く残る
- 増田孝彦・黒坪一樹「ドングリのアク抜き方法に関する一考察」『京都府埋蔵文化財論集』第6集——スダジイなどのシイ類や、アクの少ないマテバシイ・イチイガシなどを除き、ドングリはアクを抜かずには食べられない
- Pet Poison Helpline「Salt Is Toxic To Pets」——塩・塩水は塩中毒を起こす危険が高く、動物に吐かせる目的で使ってはならない



