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白い壁の前で、あごを支えてもらいながら首元をブラシでとかされているクリーム色のテリア
Dandruff暮らしコラム

犬のフケ、原因は?乾燥か病気かの見分け方と対策

Osanpo編集部公開 2026.09.20
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背中をなでたら、手に白い粉のようなものがついた。黒い服で抱っこしたら、白いフケがついていた。こんなことがあると、乾燥かな、それとも何かの病気かな、と気になりますよね。

フケそのものは、皮膚が生まれ変わるときに出るもので、少しなら肌の状態に問題のない健康な犬にも見られるものです。気にかけたいのは「急に増えた」「かゆがっている」「においやべたつきがある」といった変化のほうです。

この記事では、まず家でできる見分け方をご紹介します。そのうえで、最初に見直したい乾燥の話と、家でできる対策、病気が隠れているときのサインまで、順番にお伝えします。

🔍 フケはどこから来る?

皮膚の表面では、新しい細胞が下から生まれて、古い細胞が上からはがれていく入れ替わりがいつも起きています。この、はがれた古い細胞がフケです。健康な犬では、はがれるものが小さくて少ないので、ふだんは目につきません。

健康な犬の表皮のうち、生きている細胞の層が入れ替わるまでの時間は、およそ3週間と測られています。フケが目立って増えたときは、このターンオーバーが何かの理由で早まっている、と考えられます。乾燥でも、菌の増えすぎでも、アレルギーでも、皮膚が「いつもより急いで作り直している」状態です。

もうひとつ知っておきたいのが、フケには2つの種類があることです。①白くて細かく、さらさらと落ちる乾いたフケ、②黄色や茶色っぽく、べたついて毛に張りつく脂っぽいフケ、の2つです。フケの多い犬では、両方が混ざって出ることがほとんどです。どちら寄りかは、次の章で見分ける手がかりになります。

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犬の皮膚は人よりも薄くできています。生きている表皮の部分は、厚さにして約10マイクロメートル。髪の毛1本の太さの、8分の1ほどです。薄いぶん水分が逃げやすく、乾燥の影響を受けやすい、と思っておいてください。

🧭 まず、うちの子はどっち?

フケの原因はいろいろありますが、家でできる見分け方は、そう多くありません。まず図で全体をつかんで、そのあと表の5つを確かめてみてください。

図解:上のカード「乾燥寄り」は、背中に白く細かいフケがうっすら乗ったダックスフンドと、白く細かいフケ・かゆみは軽い・冬や暖房の時期の3つの絵で、まず乾燥対策へ。下のカード「病気寄り」は、後ろ足で体をかくダックスフンドと、大きくべたつくフケ・強くかいて赤い・家族にも発疹の3つの絵で、動物病院へ
かゆみ・赤み・家族の発疹のどれかがあれば、病気寄りです

フケの見た目

乾燥寄り
白くて細かく、さらさら落ちます
病気寄り(受診)
大きめ、または黄色っぽくべたつきます。かさぶたが混じることもあります

かゆみ

乾燥寄り
ないか、あっても軽いです
病気寄り(受診)
強くかく、体をこすりつける、皮膚が赤い、のどれかがあります

出ている場所

乾燥寄り
背中から体全体に、うすく出ます
病気寄り(受診)
背中に集中して大きなフケが出ます。または耳・脇・指の間・しわの中に、においやべたつきがあります

時期

乾燥寄り
冬、暖房を入れてから、洗った直後に出ます
病気寄り(受診)
季節を問わず出るか、治ってはぶり返します

家族

乾燥寄り
何もありません
病気寄り(受診)
飼い主にも、かゆい発疹が出ています

右の列にひとつでも当てはまるなら、5章のサインを読んだうえで、動物病院に相談してください。左の列ばかりなら、まず3章と4章の乾燥対策から試してみてください。

そして、かゆみがなくても、フケが何週間も減らないときは、一度診てもらってください。獣医皮膚科のクリニックは、かゆがっていなくても相談をとすすめています。かゆみがほとんど出ないまま、フケだけが増える病気もあるからです。

❄️ まず考えたいのは乾燥

フケが気になったとき、まず考えたいのが皮膚の乾燥です。冬になると空気が乾き、暖房でさらに乾きます。人の手や唇がかさつく時期は、犬の皮膚も同じ空気の中にいます。1章でお話ししたように、犬の皮膚は薄いので、水分が逃げやすいんです。

雪景色の窓辺のソファで、赤い毛布の上にふせている白いドゥードル
冬の室内は、暖房で思ったより乾いています

もうひとつの乾燥のもとが、お風呂です。皮膚の表面は皮脂の膜でおおわれていて、水分を逃がさない役目をしています。シャンプーはこの膜も一緒に落とすので、洗いすぎ、人用のシャンプー、すすぎ残しのどれかが続くと、皮膚のバリアが傷んで乾きやすくなります。海外の大学の獣医病院も、強い洗浄剤やすすぎ残しが皮膚のバリアを傷め、赤み・かゆみ・フケのもとになる、と説明しています。

乾燥が原因のフケなら、空気とお風呂の2つを見直すところから始められます。次の章で、順番にご紹介します。

🧴 家でできる対策

乾燥が原因のフケは、こすって取ろうとするより、フケが出にくい皮膚に整えていくほうが近道です。フケの取り方と乾燥対策を、5つにまとめました。

やることポイント

湿度を50〜60%に
暖房を使う時期は、加湿器などで湿度を50〜60%に保ちます。人にとっても気持ちのいい湿度なので、部屋ごと整えてあげると安心です
ブラッシングを2〜3日に1回
もつれや抜け毛を取り除いて、皮膚を清潔に保ちます。毛並みに沿って、力を入れずにとかしてください。ブラシが皮膚をこすると、かえって傷になります
お風呂は回数より洗い方
犬用のやさしいシャンプーを薄めて泡で洗い、ぬるぬるが消えるまですすぎ、指の間まで乾かします。回数を増やす前に、この3つを見直してください
洗ったあとに保湿
保湿は、皮膚に水分が入ったあとがいちばん効果的だとされています。タオルで拭いたあとに、犬用の保湿剤を使ってあげてください
食事を見直す
必須脂肪酸が足りないと、皮膚は乾いてかさつき、毛がもつれやすくなります。総合栄養食を食べている子では珍しく、長く続いた手作りごはんや、脂肪の少ない・質のよくないフードがきっかけになります。まず食事の内容を見直して、サプリを足す前に獣医師に相談してください

シャンプーで気をつけたいのは、回数そのものより洗い方です。人用のシャンプー、すすぎ残し、生乾きの3つが皮膚を傷めるしくみは、シャンプーの頻度の記事にくわしくまとめています。

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我が家の合図「フケが出たらシャンプー」

我が家では、8歳のボストンテリア・源(げん)の背中にフケが出てきたら、そろそろお風呂、という合図にしています。これが正しいのかを調べてみました。

獣医師向けの医学書では、フケの多い皮膚の治療として、皮膚に合ったシャンプーで洗うことでたまった角質と皮脂が減り、皮膚の入れ替わりの速さが正常に近づくと説明されています。セラミド入りのシャンプーは、そこでよく効く例のひとつに挙がっています。また、保湿剤は皮膚に水分が入ったあと、つまり洗ったあとに使うのがいちばん効果的だともされています。フケがたまってきたら洗って、そのあとに保湿する。この順番自体は、獣医皮膚科の考え方と重なっていました。

ただし、条件がひとつあります。洗いすぎは乾燥のもとで、国内の獣医師監修の記事も、皮膚トラブルのない子は月1回程度を目安にしています。もし洗うたびにフケが増えていくなら、洗いすぎで皮膚が乾いているのかもしれません。その場合は、回数を足すのではなく、湿度と保湿を先に見直して、続くようなら相談してください。

源の場合は、膿皮症になる時期があり、いまは月3回ほど洗っています。回数を先生と決めたわけではありません。かゆがる様子が気になってお風呂をこまめに入れるようにしたらマシになった、と診察のときに伝えたら、それなら続けていきましょう、と言ってもらえた形です。セラミド入りのシャンプーで洗って、タオルで拭いたあとに保湿スプレーをかける、という流れです。フケが増えたら洗う、を続けられているのは、この「先生に様子を伝えていること」と「保湿までセット」の2つがあるからだと思っています。

タイル張りの浴室で、たらいのお湯に浸かって目を閉じているボストンテリア
お湯に浸かって、気持ちよさそうな源

源が愛用しているのは、ハンドメイドショップ ダンコのセラミド入りシャンプーと保湿スプレーです。選んだ理由や洗い方は、シャンプーの頻度の記事にくわしく書いています。

🩺 病気が隠れているサイン

乾燥対策をしても減らないフケや、2章の右の列に当てはまるフケの裏には、皮膚の病気や体の病気が隠れていることがあります。代表的なものを、家で気づけるサインと一緒にまとめました。

考えられること家で気づけるサイン

ツメダニ(歩くフケ)
背中を中心に、大きなフケがたくさん出ます。かゆみは強い子も、ほとんどない子もいます。人にもうつり、飼い主にかゆい発疹が出ることがあります。保護施設・ブリーダー・トリミング店など、犬が集まる場所でうつることが多い寄生虫です
膿皮症(細菌)
赤いポツポツ、かさぶた、毛が抜けたところが見られます。フケが多く出るのがいちばん多いサインで、かゆみの強さはさまざまです
マラセチア(酵母)
黄色や茶色っぽい脂っぽいフケと、かびくさいにおいが出ます。耳・脇・指の間・しわの中など、蒸れやすい場所に多く、皮膚が黒ずんだり、厚くなったりします
アレルギー
かゆみが先で、かき壊した皮膚からフケが出ます。5歳になる前から始まったフケはアレルギーの可能性が高く、季節や食べものと関係することがあります
ホルモンの病気
中高齢の子で、元気がない・食べる量は同じなのに太る・毛が左右対称に薄くなる・水をたくさん飲む・お腹が張ってきた、といった変化があります。皮膚は乾いてフケが増えたり、逆に脂っぽくなったりします
亜鉛の不足
シベリアンハスキーやアラスカンマラミュートなど北方の犬種で、目や口のまわりにかさぶたとフケが出ます。栄養の吸収の問題なので、食事だけでは治りにくいことがあります

ホルモンの病気で少し補足します。甲状腺の働きが落ちる病気は4〜10歳に多く、皮膚が乾いてフケが増え、毛が薄くなります。反対に、副腎のホルモンが多くなる病気では、皮膚が薄くなり、脂っぽいフケが出ることがあります。どちらも、皮膚だけでなく「元気がない」「水をよく飲む」といった全身の変化をともなうことがあります。受診のときは皮膚のことだけでなく、最近の様子を思い出して、変わったことがなかったかも一緒に伝えてあげてください。

もうひとつ、生まれつき皮膚の入れ替わりが早い体質の犬種もいます。コッカースパニエルやバセットハウンドなどで、2歳になる前から始まるのが特徴です。ただしこれは、ほかの原因をすべて調べてから決まる診断なので、飼い主が最初から「体質だから」と決めないほうが安心です。

どれも、家で見分けきることはできません。獣医師は、皮膚をこすって顕微鏡で見る、菌を培養する、血液を調べる、といった検査で原因をしぼっていきます。ツメダニは大きいダニなので顕微鏡で見つけやすく、きちんと治療すれば治ります。ほかの病気にも、それぞれ原因に合った治療があります。原因がわかれば、フケは減らしていけます

🐶 子犬・シニア・毛の長い子は?

子犬のフケで知っておきたいのは、ツメダニです。保護施設やブリーダー、トリミング店など、たくさんの犬と接する場所でうつることが多く、子犬では症状が強く出ることがあります。迎えて間もない子犬の背中に大きなフケが出ていたら、早めに診てもらってください。人にもうつるので、家族にかゆい発疹が出たら一緒に伝えてください。

新しい家に来たばかりの緊張も、フケのきっかけになることがあります。お風呂は、犬用のやさしいシャンプーで、短時間で、しっかり乾かすところまでを1セットにしてあげてください。

シニアの子でフケが増えてきたら、皮膚だけでなく全身の様子も見てあげてください。5章のホルモンの病気は中高齢に多く、最初の変化がフケや毛の薄さとして現れることがあります。若いころと同じお手入れをしているのにフケが出るようになった、というときは、体の変化のサインかもしれません。

並んでふせている、耳の長いコッカースパニエルと長毛のヨークシャーテリア
毛の長い子は、はがれた角質が毛にからんで残りやすい

毛の長い子・巻き毛の子は、はがれた角質が毛にからんで残りやすいので、フケが目立ちやすくなります。トイプードルやマルチーズで、毛の中に白いものが残って見えるのは、このためだと考えられます。毎日のブラッシングで毛を分けて、皮膚の状態を直接見る習慣が役に立ちます。

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💬 よくある質問

Q人のフケ用シャンプーを使ってもいいですか?

使わないであげてください。犬の皮膚は人より酸性度が低く、人用の製品はその表面のバランスを崩してしまいます。人のフケ用も同じで、犬のフケの原因に合わせて作られたものではありません。フケが気になるときは、犬用のやさしいシャンプーか、獣医師に処方してもらった薬用シャンプーを使ってください。

Qブラッシングしたらフケが増えました。やめたほうがいい?

やめなくて大丈夫ですが、力加減を見直したほうがいいかもしれません。ブラシは、毛の中にたまっていた古い角質を表に出すので、始めた直後は増えたように見えるのだと考えられます。ただ、皮膚が赤い、かゆがる、という場合は、ブラシが皮膚をこすっている合図です。力を抜いて毛並みに沿ってとかすようにしても、数日続けて減らないなら、別の原因があるので相談してください。

Q白いフケではなく、黒い粒が落ちます。

フケではなく、ノミの糞かもしれません。ノミの糞は血を消化したもので、黒い粒として毛の中に残ります。濡らしたティッシュに乗せてオレンジ色から赤色ににじむなら、ノミがいると考えて、動物病院で駆除の相談をしてください。

Qかゆがっていないなら、様子を見てもいいですか?

皮膚がひとまわり入れ替わる3週間ほどを目安に、湿度と洗い方を見直しても減らないなら、かゆみがなくても一度診てもらってください。ツメダニはかゆみがほとんど出ない子もいますし、膿皮症もかゆみの強さはさまざまです。かゆみは「まだ大丈夫」の証拠にはならない、と思っておくと安心です。

📌 まとめ

  • フケは皮膚の入れ替わりで出るもので、少しなら正常です。気にかけたいのは、増えた・かゆがる・においがする、という変化です
  • 家での見分けは見た目・かゆみ・場所・時期・家族の5つです。かゆみや赤み、背中に集中した大きなフケ、飼い主の発疹は受診のサインです
  • まず考えたいのは乾燥です。冬の暖房と、洗いすぎ・人用シャンプー・すすぎ残しが、乾燥のもとになります
  • 対策は湿度50〜60%、ブラッシング、洗い方、洗ったあとの保湿です。回数を増やす前に、この4つを見直してください
  • 洗うたびにフケが増えるなら、洗いすぎかもしれません。回数を足さず、湿度と保湿を見直してください
  • かゆみがなくても、何週間も減らないフケは一度診てもらってください。原因がわかれば、フケは減らしていけます

フケは、その子の皮膚が「いつもと違う」と教えてくれているサインです。乾燥なら家で整えてあげられますし、病気ならそれに合った治療があります。どちらにしても、気づいてあげられたこと自体が、その子にとっていちばんの助けになります。

📚 出典・参考

この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。フケが減らないとき、かゆみや赤みをともなうときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

Osanpo編集部の犬、源
著者
Osanpo編集部
相棒は源(ボストンテリア・8歳)
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