
犬の フケ、 原因は?乾燥か 病気かの 見分け方と 対策
背中をなでたら、手に白い粉のようなものがついた。黒い服で抱っこしたら、白いフケがついていた。こんなことがあると、乾燥かな、それとも何かの病気かな、と気になりますよね。
フケそのものは、皮膚が生まれ変わるときに出るもので、少しなら肌の状態に問題のない健康な犬にも見られるものです。気にかけたいのは「急に増えた」「かゆがっている」「においやべたつきがある」といった変化のほうです。
この記事では、まず家でできる見分け方をご紹介します。そのうえで、最初に見直したい乾燥の話と、家でできる対策、病気が隠れているときのサインまで、順番にお伝えします。
🔍 フケは どこから 来る?
皮膚の表面では、新しい細胞が下から生まれて、古い細胞が上からはがれていく入れ替わりがいつも起きています。この、はがれた古い細胞がフケです。健康な犬では、はがれるものが小さくて少ないので、ふだんは目につきません。
健康な犬の表皮のうち、生きている細胞の層が入れ替わるまでの時間は、およそ3週間と測られています。フケが目立って増えたときは、このターンオーバーが何かの理由で早まっている、と考えられます。乾燥でも、菌の増えすぎでも、アレルギーでも、皮膚が「いつもより急いで作り直している」状態です。
もうひとつ知っておきたいのが、フケには2つの種類があることです。①白くて細かく、さらさらと落ちる乾いたフケ、②黄色や茶色っぽく、べたついて毛に張りつく脂っぽいフケ、の2つです。フケの多い犬では、両方が混ざって出ることがほとんどです。どちら寄りかは、次の章で見分ける手がかりになります。
犬の皮膚は人よりも薄くできています。生きている表皮の部分は、厚さにして約10マイクロメートル。髪の毛1本の太さの、8分の1ほどです。薄いぶん水分が逃げやすく、乾燥の影響を受けやすい、と思っておいてください。
🧭 まず、 うちの 子は どっち?
フケの原因はいろいろありますが、家でできる見分け方は、そう多くありません。まず図で全体をつかんで、そのあと表の5つを確かめてみてください。

フケの見た目
- 乾燥寄り
- 白くて細かく、さらさら落ちます
- 病気寄り(受診)
- 大きめ、または黄色っぽくべたつきます。かさぶたが混じることもあります
かゆみ
- 乾燥寄り
- ないか、あっても軽いです
- 病気寄り(受診)
- 強くかく、体をこすりつける、皮膚が赤い、のどれかがあります
出ている場所
- 乾燥寄り
- 背中から体全体に、うすく出ます
- 病気寄り(受診)
- 背中に集中して大きなフケが出ます。または耳・脇・指の間・しわの中に、においやべたつきがあります
時期
- 乾燥寄り
- 冬、暖房を入れてから、洗った直後に出ます
- 病気寄り(受診)
- 季節を問わず出るか、治ってはぶり返します
家族
- 乾燥寄り
- 何もありません
- 病気寄り(受診)
- 飼い主にも、かゆい発疹が出ています
右の列にひとつでも当てはまるなら、5章のサインを読んだうえで、動物病院に相談してください。左の列ばかりなら、まず3章と4章の乾燥対策から試してみてください。
そして、かゆみがなくても、フケが何週間も減らないときは、一度診てもらってください。獣医皮膚科のクリニックは、かゆがっていなくても相談をとすすめています。かゆみがほとんど出ないまま、フケだけが増える病気もあるからです。
❄️ まず 考えたいのは 乾燥
フケが気になったとき、まず考えたいのが皮膚の乾燥です。冬になると空気が乾き、暖房でさらに乾きます。人の手や唇がかさつく時期は、犬の皮膚も同じ空気の中にいます。1章でお話ししたように、犬の皮膚は薄いので、水分が逃げやすいんです。

もうひとつの乾燥のもとが、お風呂です。皮膚の表面は皮脂の膜でおおわれていて、水分を逃がさない役目をしています。シャンプーはこの膜も一緒に落とすので、洗いすぎ、人用のシャンプー、すすぎ残しのどれかが続くと、皮膚のバリアが傷んで乾きやすくなります。海外の大学の獣医病院も、強い洗浄剤やすすぎ残しが皮膚のバリアを傷め、赤み・かゆみ・フケのもとになる、と説明しています。
乾燥が原因のフケなら、空気とお風呂の2つを見直すところから始められます。次の章で、順番にご紹介します。
🧴 家で できる 対策
乾燥が原因のフケは、こすって取ろうとするより、フケが出にくい皮膚に整えていくほうが近道です。フケの取り方と乾燥対策を、5つにまとめました。
やること / ポイント
- 湿度を50〜60%に
- 暖房を使う時期は、加湿器などで湿度を50〜60%に保ちます。人にとっても気持ちのいい湿度なので、部屋ごと整えてあげると安心です
- ブラッシングを2〜3日に1回
- もつれや抜け毛を取り除いて、皮膚を清潔に保ちます。毛並みに沿って、力を入れずにとかしてください。ブラシが皮膚をこすると、かえって傷になります
- お風呂は回数より洗い方
- 犬用のやさしいシャンプーを薄めて泡で洗い、ぬるぬるが消えるまですすぎ、指の間まで乾かします。回数を増やす前に、この3つを見直してください
- 洗ったあとに保湿
- 保湿は、皮膚に水分が入ったあとがいちばん効果的だとされています。タオルで拭いたあとに、犬用の保湿剤を使ってあげてください
- 食事を見直す
- 必須脂肪酸が足りないと、皮膚は乾いてかさつき、毛がもつれやすくなります。総合栄養食を食べている子では珍しく、長く続いた手作りごはんや、脂肪の少ない・質のよくないフードがきっかけになります。まず食事の内容を見直して、サプリを足す前に獣医師に相談してください
シャンプーで気をつけたいのは、回数そのものより洗い方です。人用のシャンプー、すすぎ残し、生乾きの3つが皮膚を傷めるしくみは、シャンプーの頻度の記事にくわしくまとめています。


我が家の合図「フケが出たらシャンプー」
我が家では、8歳のボストンテリア・源(げん)の背中にフケが出てきたら、そろそろお風呂、という合図にしています。これが正しいのかを調べてみました。
獣医師向けの医学書では、フケの多い皮膚の治療として、皮膚に合ったシャンプーで洗うことでたまった角質と皮脂が減り、皮膚の入れ替わりの速さが正常に近づくと説明されています。セラミド入りのシャンプーは、そこでよく効く例のひとつに挙がっています。また、保湿剤は皮膚に水分が入ったあと、つまり洗ったあとに使うのがいちばん効果的だともされています。フケがたまってきたら洗って、そのあとに保湿する。この順番自体は、獣医皮膚科の考え方と重なっていました。
ただし、条件がひとつあります。洗いすぎは乾燥のもとで、国内の獣医師監修の記事も、皮膚トラブルのない子は月1回程度を目安にしています。もし洗うたびにフケが増えていくなら、洗いすぎで皮膚が乾いているのかもしれません。その場合は、回数を足すのではなく、湿度と保湿を先に見直して、続くようなら相談してください。
源の場合は、膿皮症になる時期があり、いまは月3回ほど洗っています。回数を先生と決めたわけではありません。かゆがる様子が気になってお風呂をこまめに入れるようにしたらマシになった、と診察のときに伝えたら、それなら続けていきましょう、と言ってもらえた形です。セラミド入りのシャンプーで洗って、タオルで拭いたあとに保湿スプレーをかける、という流れです。フケが増えたら洗う、を続けられているのは、この「先生に様子を伝えていること」と「保湿までセット」の2つがあるからだと思っています。

源が愛用しているのは、ハンドメイドショップ ダンコのセラミド入りシャンプーと保湿スプレーです。選んだ理由や洗い方は、シャンプーの頻度の記事にくわしく書いています。
🩺 病気が 隠れている サイン
乾燥対策をしても減らないフケや、2章の右の列に当てはまるフケの裏には、皮膚の病気や体の病気が隠れていることがあります。代表的なものを、家で気づけるサインと一緒にまとめました。
考えられること / 家で気づけるサイン
- ツメダニ(歩くフケ)
- 背中を中心に、大きなフケがたくさん出ます。かゆみは強い子も、ほとんどない子もいます。人にもうつり、飼い主にかゆい発疹が出ることがあります。保護施設・ブリーダー・トリミング店など、犬が集まる場所でうつることが多い寄生虫です
- 膿皮症(細菌)
- 赤いポツポツ、かさぶた、毛が抜けたところが見られます。フケが多く出るのがいちばん多いサインで、かゆみの強さはさまざまです
- マラセチア(酵母)
- 黄色や茶色っぽい脂っぽいフケと、かびくさいにおいが出ます。耳・脇・指の間・しわの中など、蒸れやすい場所に多く、皮膚が黒ずんだり、厚くなったりします
- アレルギー
- かゆみが先で、かき壊した皮膚からフケが出ます。5歳になる前から始まったフケはアレルギーの可能性が高く、季節や食べものと関係することがあります
- ホルモンの病気
- 中高齢の子で、元気がない・食べる量は同じなのに太る・毛が左右対称に薄くなる・水をたくさん飲む・お腹が張ってきた、といった変化があります。皮膚は乾いてフケが増えたり、逆に脂っぽくなったりします
- 亜鉛の不足
- シベリアンハスキーやアラスカンマラミュートなど北方の犬種で、目や口のまわりにかさぶたとフケが出ます。栄養の吸収の問題なので、食事だけでは治りにくいことがあります
ホルモンの病気で少し補足します。甲状腺の働きが落ちる病気は4〜10歳に多く、皮膚が乾いてフケが増え、毛が薄くなります。反対に、副腎のホルモンが多くなる病気では、皮膚が薄くなり、脂っぽいフケが出ることがあります。どちらも、皮膚だけでなく「元気がない」「水をよく飲む」といった全身の変化をともなうことがあります。受診のときは皮膚のことだけでなく、最近の様子を思い出して、変わったことがなかったかも一緒に伝えてあげてください。
もうひとつ、生まれつき皮膚の入れ替わりが早い体質の犬種もいます。コッカースパニエルやバセットハウンドなどで、2歳になる前から始まるのが特徴です。ただしこれは、ほかの原因をすべて調べてから決まる診断なので、飼い主が最初から「体質だから」と決めないほうが安心です。
どれも、家で見分けきることはできません。獣医師は、皮膚をこすって顕微鏡で見る、菌を培養する、血液を調べる、といった検査で原因をしぼっていきます。ツメダニは大きいダニなので顕微鏡で見つけやすく、きちんと治療すれば治ります。ほかの病気にも、それぞれ原因に合った治療があります。原因がわかれば、フケは減らしていけます。
🐶 子犬・ シニア・ 毛の 長い子は?
子犬のフケで知っておきたいのは、ツメダニです。保護施設やブリーダー、トリミング店など、たくさんの犬と接する場所でうつることが多く、子犬では症状が強く出ることがあります。迎えて間もない子犬の背中に大きなフケが出ていたら、早めに診てもらってください。人にもうつるので、家族にかゆい発疹が出たら一緒に伝えてください。
新しい家に来たばかりの緊張も、フケのきっかけになることがあります。お風呂は、犬用のやさしいシャンプーで、短時間で、しっかり乾かすところまでを1セットにしてあげてください。
シニアの子でフケが増えてきたら、皮膚だけでなく全身の様子も見てあげてください。5章のホルモンの病気は中高齢に多く、最初の変化がフケや毛の薄さとして現れることがあります。若いころと同じお手入れをしているのにフケが出るようになった、というときは、体の変化のサインかもしれません。

毛の長い子・巻き毛の子は、はがれた角質が毛にからんで残りやすいので、フケが目立ちやすくなります。トイプードルやマルチーズで、毛の中に白いものが残って見えるのは、このためだと考えられます。毎日のブラッシングで毛を分けて、皮膚の状態を直接見る習慣が役に立ちます。

💬 よく ある 質問
使わないであげてください。犬の皮膚は人より酸性度が低く、人用の製品はその表面のバランスを崩してしまいます。人のフケ用も同じで、犬のフケの原因に合わせて作られたものではありません。フケが気になるときは、犬用のやさしいシャンプーか、獣医師に処方してもらった薬用シャンプーを使ってください。
やめなくて大丈夫ですが、力加減を見直したほうがいいかもしれません。ブラシは、毛の中にたまっていた古い角質を表に出すので、始めた直後は増えたように見えるのだと考えられます。ただ、皮膚が赤い、かゆがる、という場合は、ブラシが皮膚をこすっている合図です。力を抜いて毛並みに沿ってとかすようにしても、数日続けて減らないなら、別の原因があるので相談してください。
フケではなく、ノミの糞かもしれません。ノミの糞は血を消化したもので、黒い粒として毛の中に残ります。濡らしたティッシュに乗せてオレンジ色から赤色ににじむなら、ノミがいると考えて、動物病院で駆除の相談をしてください。
皮膚がひとまわり入れ替わる3週間ほどを目安に、湿度と洗い方を見直しても減らないなら、かゆみがなくても一度診てもらってください。ツメダニはかゆみがほとんど出ない子もいますし、膿皮症もかゆみの強さはさまざまです。かゆみは「まだ大丈夫」の証拠にはならない、と思っておくと安心です。
📌 まとめ
- フケは皮膚の入れ替わりで出るもので、少しなら正常です。気にかけたいのは、増えた・かゆがる・においがする、という変化です
- 家での見分けは見た目・かゆみ・場所・時期・家族の5つです。かゆみや赤み、背中に集中した大きなフケ、飼い主の発疹は受診のサインです
- まず考えたいのは乾燥です。冬の暖房と、洗いすぎ・人用シャンプー・すすぎ残しが、乾燥のもとになります
- 対策は湿度50〜60%、ブラッシング、洗い方、洗ったあとの保湿です。回数を増やす前に、この4つを見直してください
- 洗うたびにフケが増えるなら、洗いすぎかもしれません。回数を足さず、湿度と保湿を見直してください
- かゆみがなくても、何週間も減らないフケは一度診てもらってください。原因がわかれば、フケは減らしていけます
フケは、その子の皮膚が「いつもと違う」と教えてくれているサインです。乾燥なら家で整えてあげられますし、病気ならそれに合った治療があります。どちらにしても、気づいてあげられたこと自体が、その子にとっていちばんの助けになります。
📚 出典・ 参考
この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。フケが減らないとき、かゆみや赤みをともなうときは、かかりつけの動物病院に相談してください。
- Merck Veterinary Manual「Seborrhea in Dogs」——生まれつきの脂漏はコッカースパニエル・バセットハウンド・ジャーマンシェパードなどで、たいてい18〜24か月未満で始まる。二次性の脂漏でいちばん多い原因はホルモンの病気とアレルギー。アレルギーは5歳より前、ホルモンの病気は中高齢で始まることが多い。診断は皮膚のこすり取り・培養・皮膚生検・血液と尿の検査で、ほかの原因をすべて除いてから生まれつきと決まる。人用のシャンプーは獣医師の同意なしに使わない。角質をはがす薬用シャンプーでは、ゆるんだ角質が毛にからんで最初の2週間はフケが増えて見え、洗い続けると取れていく
- Merck Veterinary Manual「Seborrhea in Animals」——フケの多い皮膚の治療では、シャンプーで洗うことで角質と皮脂が減り、かゆみが下がり、表皮の入れ替わりの速さが正常に近づく。セラミド・オフィトリウム・フィトスフィンゴシンを含むシャンプーがよく効く。保湿剤(エモリエント)はあらゆるフケの皮膚に適応があり、皮膚に水分が戻ったあと、シャンプーのあとに使うのが最も効果的。基礎にある病気が、フケを主な症状として現れることがある
- VCA Animal Hospitals「Seborrhea in Dogs」——脂漏には乾いた型と脂っぽい型があり、多くの犬では両方が混ざる。二次性の原因はホルモンの病気・アレルギー・寄生虫・真菌や細菌の感染・オメガ3脂肪酸の不足・環境の変化など
- VCA Animal Hospitals「Cheyletiellosis in Dogs」(Malcolm Weir, Tammy Hunter, Ernest Ward 獣医師)——ツメダニ症は、うつりやすいが多くはない寄生虫で、ノミ予防薬の普及でまれになった。いちばん大事なサインはフケで、大きなフケが背中と上半身に広く出る。かゆみは程度がさまざま。多くは保護施設・ブリーダー・トリミング店など犬が集まる場所でうつる。人にもうつる。ダニは大きいので顕微鏡の低倍率で見つかる。週1回の薬用シャンプーを3〜4回行い、寝具や家の中も掃除する。治療に従えば予後はとてもよい
- Merck Veterinary Manual「Mite Infestation (Mange, Acariasis, Scabies) in Dogs」——「歩くフケ」は背中に沿ったフケが多く、かゆみが強い子もまったくない子もいる。ペットから飼い主にとても簡単にうつる
- Merck Veterinary Manual「Mange in Dogs and Cats」——ツメダニ症はとてもうつりやすく、特に動物が集まる場所で広がる。人への寄生もよくある。背中側に出るフケが特徴で、かゆみは「まったくない」から「強い」までさまざま。よく洗われている動物ではダニや卵が見つかりにくいことがある
- Bajwa J「Malassezia species and its significance in canine skin disease」The Canadian Veterinary Journal(2023)——マラセチア皮膚炎が出やすいのは口のまわり・首の下側・脇・お腹・後ろ足の内側・指の間・外耳道・皮膚のしわ。茶色・黄色・灰色の脂っぽいフケと赤みが出て、不快なにおいをともなうことがある。かゆみはたいてい強いが、軽いものからとても強いものまで幅がある
- Merck Veterinary Manual「The Integumentary System in Animals」——皮脂は皮膚を柔らかく保ち、適切な水分を維持する
- Merck Veterinary Manual「Pyoderma in Dogs」——細菌性膿皮症でいちばん多いサインはフケが多く出ること。犬の表在性膿皮症は、毛が抜けたところ・毛のまわりのふくらみ・かさぶたとして現れる。かゆみはさまざま。多くはノミ・アレルギー・甲状腺機能低下症・クッシング病などに続いて起こる
- VCA Animal Hospitals「Yeast Dermatitis in Dogs」(Malcolm Weir, Krista Williams, Tammy Hunter, Ernest Ward 獣医師)——マラセチア皮膚炎のサインは、かゆみと赤み、かびくさいにおい、フケとかさぶた、厚くなった皮膚、黒ずみ、繰り返す外耳炎。脂漏やアレルギーで皮脂が増えると起こりやすい
- Merck Veterinary Manual「Disorders of the Thyroid Gland in Dogs」——甲状腺機能低下症は4〜10歳に多い。元気がない、運動したがらない、食べる量は増えないのに太る。皮膚は乾き、毛が抜けやすく、生えるのが遅く、左右対称に薄くなる
- Merck Veterinary Manual「Whole-body Disorders that Affect the Skin in Dogs」——甲状腺機能低下症では皮膚が乾いてフケが出て厚くなる。クッシング病(副腎皮質機能亢進症)では皮膚の黒ずみ、脱毛、脂っぽいフケ、二次的な細菌感染が起こる。皮膚の病気はタンパク質・脂肪・ミネラル・ビタミン・微量元素の不足と関係することがあるが、バランスのとれた今のフードを食べている犬では珍しい。シベリアンハスキーなどは亜鉛の追加が必要なことがある
- Merck Veterinary Manual「Disorders of the Pituitary Gland in Dogs」——クッシング病は中高齢に多い。よくあるサインは、水をたくさん飲んで尿が増える、食欲が増す、暑がる、元気がない、お腹が張る、あえぐ、太る、力が入らない、皮膚が薄くなる、毛が抜ける、あざができやすい
- VCA Animal Hospitals「Zinc-Responsive Dermatosis in Dogs」(Malcolm Weir, Krista Williams, Robin Downing 獣医師)——シベリアンハスキーとアラスカンマラミュートに多く、目・口のまわり、皮膚と粘膜の境目にかさぶたとフケが出る。腸からの吸収の問題で、食事の亜鉛が足りていても起こる。診断は皮膚生検
- VCA Animal Hospitals「Nutrition, Skin, and Dogs」(Caitlin Grant 獣医栄養学専門医ほか)——必須脂肪酸が足りないと皮膚は乾いてかさつき、毛がもつれやすくなり、皮膚の弾力が落ち、外耳炎が起こりやすくなる。栄養の不足は、長く続いた偏った手作りごはん、質のよくないフード、不適切なサプリで起こりやすく、脂肪の少なさや質のよくない脂肪が皮膚の病気のリスクになる。サプリを足す前に獣医師に相談する
- Virginia Tech Veterinary Teaching Hospital「Safe bathing practices: Protecting your pet's skin」——強い洗浄剤で洗うと皮膚のバリアが傷んで乾き、感染しやすくなる。強い製品やすすぎ残しが赤み・かゆみ・フケのもとになる。犬猫の皮膚は人より酸性度が低く、人用の製品はそのバランスを崩す。洗ったあとに赤み・ブツブツ・かゆみ・においが出たら獣医師に連絡する。繰り返す皮膚トラブルの裏には基礎疾患がある
- American Kennel Club「Dry Skin on Dogs: Signs, Symptoms, Treatments」——乾いた皮膚の原因は、アレルギー、寄生虫(ツメダニなど)、感染、クッシング病と甲状腺機能低下症、寒い季節の乾いた空気、洗いすぎや強い石けん、栄養の不足。対策は加湿器、獣医師がすすめるシャンプー、お風呂の回数を減らす、質のよい食事
- Kwochka KW, Rademakers AM「Cell proliferation of epidermis, hair follicles, and sebaceous glands of beagles and cocker spaniels with healthy skin」American Journal of Veterinary Research(1989)——健康な皮膚の表皮が入れ替わる時間は、ビーグルで23.38±5.93日、コッカースパニエルで20.97±4.92日
- Lloyd DH, Garthwaite G「Epidermal structure and surface topography of canine skin」Research in Veterinary Science(1982)——犬の生きた表皮は3〜6層・約10.1マイクロメートル
- 花王「人種による違い」——日本人女性の髪の太さは平均約0.08ミリ(本文の厚さ比較の基準)
- Olivry T ほか「Treatment of canine atopic dermatitis: 2015 updated guidelines from the International Committee on Allergic Diseases of Animals (ICADA)」BMC Veterinary Research(2015)——セラミドなどを含む外用の脂質配合剤は、アトピー犬の角層の脂質の異常を正常化した。ただし単独療法としてすすめるだけの根拠はまだない
- VCA Animal Hospitals「Flea Control in Dogs」(Krista Williams, Ryan Llera, Catherine Barnette, Ernest Ward 獣医師)——毛の中の黒い粒はノミの糞で、消化された血液。ノミに刺されて強くかゆがる犬が多く、特にしっぽの付け根に脱毛やかさぶたが出る
- Cadiergues MC ほか「Comparison of Two Techniques for the Detection of Flea Faeces in Canine and Feline Coat Brushings」The Scientific World Journal(2014)——ノミの糞は湿らせた紙の上でオレンジ〜赤色ににじむ(消化途中のヘモグロビンを含むため)。この方法は顕微鏡より多くのノミを見つけた
- アニコム損保「犬のフケの原因は? 病気の可能性も!? 対処法も解説!【獣医師監修】」(監修 岸田絵里子 獣医師)——角質層の水分が不足するとターンオーバーが早まってフケが増える。乾燥する時期は加湿器などで湿度を50〜60%に保つ。皮膚トラブルがない場合のシャンプーは月1回程度が一般的で、それより増やすなら獣医師に相談する。ブラッシングはもつれや抜け毛を取り除いて皮膚を清潔に保つ。ツメダニは背中を中心に大量のフケが出て、成犬では軽症のことが多いが子犬では症状が重くなることがあり、人が刺されると皮膚炎を起こす。脂漏症は皮膚のターンオーバーが異常に速くなった状態で、遺伝による原発性と、感染・アレルギー・内分泌疾患・栄養の偏りなどによる続発性がある
- PS保険「犬のフケが大量に出る原因・病気とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説」(監修 平松育子 獣医師)——犬の皮膚は人より薄く、水分が蒸散しやすい。暖房で冬に悪化する。シャンプーの成分が合わない、回数が多すぎると皮膚がダメージを受けてフケが出る。ストレスでフケが増えることがある。アレルギーではかゆみでかきむしり、皮膚が荒れてフケが出る。アトピー性皮膚炎は若いうちから発症することが多い。ブラッシングは犬種に合ったブラシで2〜3日に1回、毛並みに沿って
- どうぶつの皮膚科・耳科・アレルギー科「愛犬のフケを見つけたら今すぐできる4つのこと」——目につくほどのフケは、皮膚のターンオーバーのサイクルが短くなっているということ。原因は乾燥やアレルギー、皮膚に合わないシャンプーや塗り薬、常在菌の増えすぎ、栄養の不足。過度の緊張で大量のフケが出ることもある。フケが見られたら、かゆみがなくても動物病院に相談する


