暮らし
緑のたらいの中で、飼い主の手にお湯をかけられている白い小型犬
Bath Time暮らしコラム

犬のシャンプー、頻度は?月1回が目安の理由と、洗い方のコツ

Osanpo編集部公開 2026.09.18
★ 保存版読了 8

そろそろお風呂に入れたほうがいいかな、と思って調べてみると、「月1回」「2週間に1回」「洗いすぎはよくない」と、いろいろな情報が出てきますよね。書いてあることがばらばらで、どれを信じたらいいのか迷ってしまうと思います。

ばらつくのは、どれかが間違っているからではありません。毛質も、暮らし方も、皮膚の状態も犬によって違うので、ひとつの数字では言い切れないんです。

この記事では、まず頻度の目安と、その数字の理由をご紹介します。あわせて、実は回数よりも皮膚の状態を左右している「洗い方」についても、わかりやすくお伝えします。

🛁 健康な犬なら、月1回が目安

健康な犬をお風呂に入れる頻度は、月1回あたりが目安です。毛質によって、月1〜2回のあいだで動きます。

ただ、どの子もこの頻度でいいかというと、実はそうではありません。毛質と暮らし方で分けると、こんなイメージになります。

短毛

頻度の目安
月1回ほど
考え方
フレンチブルドッグ、パグ、ビーグルなど。室内中心ならこのくらいで足ります

長毛・巻き毛

頻度の目安
月2回ほど
考え方
シーズー、マルチーズ、トイプードルなど。もつれを防ぐ目的が大きいので、トリミングの周期に合わせると管理しやすくなります

ダブルコート

頻度の目安
月1〜2回
考え方
柴・コーギー・レトリバーなど。下毛が乾きにくいので、しっかりと乾かす時間を確保できる日に洗ってあげてください

よく外で遊ぶ子

頻度の目安
上の目安+汚れた日
考え方
泥や海水は、その日のうちに洗い流してあげたほうが皮膚にやさしくすみます

脂っぽい子

頻度の目安
間隔を詰める前に受診
考え方
洗う回数の問題ではなく、脂漏やマラセチアが隠れていることがあります

治療中の子

頻度の目安
獣医師の指示どおり
考え方
治療としては週2〜3回洗うこともあります(3章)

そのうえで最後に頼りになるのは、カレンダーよりもにおいと手ざわりです。今日その子に触れて、次のどれかに当てはまるなら、そろそろの合図だと思ってください。

  • なでたあと、手に脂っぽさが残る
  • 毛がべたついて、ブラシが引っかかる
  • 顔を近づけると、独特のにおいがする
  • 背中をなでるとフケが落ちてくる
  • 泥、砂、海水など外の汚れがついた日

とはいえ、我が家は月1回では足りていません。8歳のボストンテリア・源(げん)は、季節によってかゆがる時期があり、膿皮症(のうひしょう)になってしまうこともあります。かかりつけの先生と相談して、源の様子を見ながら、いまは月に3回ほど洗っています。

数字だけを見ると洗いすぎに見えるかもしれませんが、皮膚の状態によっては、回数を増やしたほうがいい時期もあります(3章でくわしくお話しします)。

🧪 なぜ「洗いすぎ」がよくないのか

よく言われる「洗いすぎはよくない」には、ちゃんと理由があります。皮膚の表面は皮脂の膜でおおわれていて、この膜が水分を逃がさず、皮膚をやわらかく保ち、菌の増殖も抑えているからです。シャンプーは汚れと一緒に、この膜も落としてしまいます。

もうひとつ、月1回という数字の背景にあるのが、皮膚の入れ替わりの速さです。健康な犬の表皮のうち、生きている細胞の層が入れ替わるまでの時間は、およそ3週間と測られています。ターンオーバーがそのくらいなので、月に1回というリズムはこの周期に無理なく重なります。

ただ、ここで安心してほしいこともあります。バリアは壊れたままにはなりません。バージニア工科大学の獣医教育病院の説明では、健康な犬の場合、傷んだ皮膚のバリアは24時間で半分以上、約72時間でほぼもとに戻るとされています。

なので、1回多く洗ってしまった日があっても、それだけで皮膚が壊れることはありません。問題になるのは、回復が追いつかない状態が続いたときです。

!

犬の皮膚は人よりも薄くできています。生きている表皮の部分は、厚さにして約10マイクロメートル。日本人女性の髪の毛1本の太さ(およそ0.08ミリ)の、8分の1ほどです。人の皮膚と同じ感覚でゴシゴシ洗う場所ではない、と思っておくと力加減を間違えません。

🔁 回数より、洗い方のほうが皮膚を左右する

皮膚の治療の一環として、週に2〜3回洗うことがすすめられる場合があります。膿皮症の治療について、Merck獣医マニュアルには、「薬用シャンプーによる入浴は週2〜3回、1回あたり10〜15分の接触時間で行う」と記載があります。バージニア工科大学の獣医教育病院も、正しく洗えば皮膚のバリアは傷まず、傷めるのは強い洗浄剤や、強くこすること、すすぎ残しのほうだと説明しています。

バスタブの中で、背中からしっぽまで白い泡におおわれた茶色い犬
皮膚を守るかどうかは、回数よりも洗い方で決まります

皮膚に負担をかけやすいのは、実は次の3つです。どれも洗い方しだいなので、手順を見直すことで防げます。

やりがちなこと皮膚で起きること

人用のシャンプーを使う
犬の皮膚は人より酸性度が低いため、人用の製品ではそのバランスが崩れてしまいます。崩れた表面では、悪さをする菌が増えやすくなります
すすぎが足りない
残った洗浄成分が刺激になり、それをきっかけに細菌が住みつきやすくなります
生乾きのまま終える
アレルギーなど皮膚のトラブルを抱えた子では、皺の間や指の間が濡れたままだと、マラセチア(酵母)が増えて、かゆみやにおいのもとになることがあります

最後の「生乾き」は、散歩のあとの足で起きることとまったく同じしくみです。洗うこと自体ではなく、「洗ったのに乾いていない」が続くことが問題になります。足のほうの話は、肉球ケアの記事にくわしくまとめています。

ソファのクッションに顔をうずめて眠る茶色いダックスフンド。手前に前足の肉球が見えている
📖 あわせて読みたい
肉球のケア、季節の変わり目に

🚿 洗う日の手順

青いタオルにくるまれて、こちらを見ているパグ
ゴールは「洗い終わり」ではなく「乾かし終わり」です
1
先にブラッシングをしておく
もつれたままお湯をかけると、その中に水とシャンプーが閉じこめられて、すすぎきれなくなります。ここで力を入れてとかすと小さな擦り傷ができて、シャンプーがしみる原因にもなるので、やさしくとかしてあげてください。大きなもつれは、前日までにほどいておくと当日が楽です。
2
お湯は37度前後、顔から遠いところから
人が触ると少しぬるいくらいが適温です。犬の平熱は38〜39度くらいと人より高いので、人の「気持ちいい」に合わせると熱すぎてしまいます。シャワーヘッドを皮膚に密着させると、水しぶきが立たず怖がりにくくなります。足元やお尻のほうから濡らして、顔は最後にしてあげてください。
3
シャンプーの前に、シャワーで汚れを流す
シャンプーをつける前に、シャワーだけで時間をかけて全身を濡らします。毛の表面だけでなく皮膚までお湯を届かせて、お湯で落ちる汚れはここで流しておくイメージです。
4
薄めて、泡で洗う
原液を直接かけると、そこだけ濃くなってすすぎ残しやすくなります。薄めて泡立ててから、指の腹で洗います。目・耳・鼻には入らないように気をつけてください。
5
少し置いてから流す
ふつうのシャンプーは、製品の表示に合わせて数分なじませます。獣医師から薬用シャンプーを処方されている場合は10〜15分と長く、この時間そのものが薬の効き目になります。早く流してしまうと、その分だけ効果が落ちます。
6
すすぎは「ぬるぬるが消えるまで」
見た目で泡が消えても、指を通すとぬるっとする場所が残ります。脇、内もも、しっぽの下、指の間、耳のうしろは特に残りやすい場所です。手で確かめながら流してください。
7
ブルブルさせてから、タオルへ
浴室から出る前に、一度ブルブルさせてあげてください。毛のある動物は、身震いで数秒のうちに体の水を飛ばせることがわかっています。 ここで飛ばしておくと、このあとがずいぶん楽になります。タオルはこすらず、押し当てて水分を吸わせてください。
8
ドライヤーは冷風か、いちばん弱い温風で
温度を上げなくても、風で乾きます。同じ場所に熱が当たり続けるとやけどになることがあるので、30センチ以上離して、常に動かし続けてください。皺の間と指の間まで乾いたら終わりです。
!

乾かす工程は、洗う工程と同じだけ大事にしてあげてください。ここを急いで生乾きのまま一晩過ごすと、せっかくきれいにした皮膚で、かえって菌が増えやすくなります。乾かしきる時間まで含めて、お風呂の時間です。

我が家が使っているもの

源は膿皮症になる時期があるので、シャンプーもそのあとのケアも皮膚に合わせて選んでいます。いま使っているのは、セラミドの入ったシャンプーと、お湯に入れる入浴剤、そしてタオルで拭いたあとに吹きかける保湿スプレーです(ハンドメイドショップ ダンコ)。人でいう化粧水のような立ち位置で、お風呂上がりの一手間になっています。

木のテーブルに並んだ、保湿スプレー・シャンプー・入浴剤の白いボトル3本
左から保湿スプレー、シャンプー、入浴剤

洗い方そのものは、商品の説明に書かれているとおりにしています。しっかり泡立ててから、擦らずにマッサージをするように揉み込み、流す前に3〜5分そのまま置いています。泡パックのような時間です。

浴室のタイルの上で、背中から足まで白い泡におおわれて横を向いているボストンテリア
泡パック中の源

入浴剤は、お湯に浸かるだけでなく、薄めたもので体を拭く使い方もできるそうです。洗面器に溶かして、散歩から帰ったときに体や足を拭く、というやり方です(商品の説明にも載っています)。お店の方によると、お湯に浸けるのはハードルが高くても、体拭きなら続けやすいという方が多いそうです。お風呂の日以外のケアとして、取り入れやすい形だと思います。

ここからは、あくまで我が家の感想です。シャンプーと入浴剤を使うようになってから、かゆがる様子や、毛の脂っぽいベタつきがマシになった気がしています。保湿スプレーは、タオルで拭いたあとにたっぷり吹きかけてから乾かすようにしたら、毛がふわふわに仕上がるようになりました。

入浴剤を溶かしたお湯のたらいに浸かって、こちらを見上げるボストンテリア
入浴剤を溶かしたお湯に浸かる源

この「保湿」という工程そのものには、獣医皮膚科の裏づけがあります。セラミドなど皮膚の脂質を補う外用剤について、犬のアトピー性皮膚炎の国際的な治療ガイドライン(ICADA 2015)には、角層の脂質の異常が正常に近づいた、と記載があります。セラミド配合の保湿剤を使った臨床研究でも、水分の逃げやすさと皮膚の水分量、症状のスコアが改善しました。

ただし同じガイドラインは、保湿剤だけを治療としてすすめられるほどの証拠はまだないとも書き添えています。保湿は治療の代わりではなく、洗ったあとの後押しです。かゆみや赤みが続くときは、保湿を足すより先に、動物病院に相談してください。

🐶 子犬・シニア・換毛期はどうする?

子犬の最初のシャンプーの時期は、ワクチンの進み具合によって考え方が分かれるので、かかりつけの獣医さんに確認してください。濡れたままだと体が冷えやすいので、短時間で、しっかり乾かすところまでを1セットにしてあげてください。

子犬の皮膚は、大人の犬とpHが違うことがわかっています。人用ではなく、犬用のやさしいシャンプーを選んであげてください。

タオルをかぶせてもらいながら、コームでとかされているポメラニアン
洗わない日のケアは、ブラッシングが引き受けてくれます

シニアの子は、立ちっぱなしの時間そのものが負担になります。滑り止めを敷いて、短時間で、お湯の温度にも特に気をつけてあげてください。途中で疲れた様子があれば、汚れたところだけの部分洗いでも大丈夫です。

換毛期は、洗うと浮いた下毛がごっそり落ちて、そのあとのブラッシングがぐっと楽になります。ただし抜け毛を減らす主役はあくまでブラッシングで、シャンプーはその手伝いです。犬種別のブラシの選び方は、換毛期の記事にまとめています。

レンガの壁の前で寝そべり、ブラシで撫でられているオーストラリアンシェパードの子犬
📖 あわせて読みたい
秋の換毛期、はじまってます

🩺 洗わないほうがいい日と、受診のサイン

皮膚が赤い、傷がある、触られるのを嫌がる。そんな日は、洗うのをお休みして、動物病院に相談してください。炎症のある皮膚を合わない製品で洗うと、炎症が強まったり、感染が広がったりすることがあります。獣医師に処方された薬用シャンプーは別で、そちらは指示どおりに続けてください。

そして、次のようなことが続くようなら、頻度の調整だけでは難しいかもしれません。

サイン考えられること

洗って数日でにおいと脂っぽさが戻る
脂漏やマラセチアが増えていることがあります。洗う回数を増やす前に、一度診てもらってください
フケ・かさつきが増えてきた
洗いすぎか、乾燥をともなう皮膚の病気が考えられます
洗うたびに赤くなる・かゆがる
製品が合っていないか、すすぎ残しがあるのかもしれません
外耳炎や皮膚炎を何度も繰り返す
体質のひとことでは片づかないことが多く、アレルギーなどの原因が隠れていることがあります

バージニア工科大学の獣医教育病院の皮膚科医は、「ペットに“敏感肌”というものはない」と話しています。繰り返す子にはたいてい原因になっている病気がある、という意味です。シャンプーを変えながら何年もしのぐより、一度きちんと調べてもらったほうが、その子も飼い主も楽になります。

💬 よくある質問

Q人間用のシャンプーを使ってもいいですか?

犬用のものを使ってあげてください。犬の皮膚は人の皮膚より酸性度が低く、人用の製品はその表面のバランスを崩してしまいます。崩れたところでは、悪さをする菌が増えやすくなります。

Q週1回洗うのは洗いすぎですか?

一概には言えません。皮膚の治療では週2〜3回洗うこともあるので、回数そのものが皮膚を傷めるわけではないからです。犬用のシャンプーで、すすぎ残しがなく、指の間まで乾かせているなら、週1回でも問題にならない子もいます。ただ、フケ・かさつき・かゆみが出てきたら、それが間隔をあけるサインです。

Q洗ったのに、数日でにおいが戻ってきます。

洗う回数を増やす前に、一度診てもらってください。皮脂の分泌が多くなる脂漏や、マラセチアという酵母が増えているときに起こりやすいパターンで、どちらもシャンプーの頻度では解決しません。原因に合った薬用シャンプーを処方してもらったほうが、結果的に早く落ち着きます。

Q買い置きのシャンプー、いつまで使えますか?

買ってから1年以上たったもの、湿気の多い場所に置いていたものは替えどきです。ボトルに水が入ると中で菌が増えることがあります。薄めて使うタイプは、薄めたものほど汚染されやすいので、その日に使う分だけ作って、余りは取っておかないでください。薄めるのに使うボトルも、使うたびに洗って乾かしておくと安心です。

📌 まとめ

  • 健康な犬の目安は月1〜2回です。短毛は月1回ほど、長毛は月2回ほど、ダブルコートは月1〜2回が目安です
  • 月1回という数字の背景には、表皮が入れ替わる約3週間というリズムがあります
  • 皮膚のバリアは24時間で半分以上、約72時間でほぼ回復します。1回のずれで壊れるものではありません
  • 皮膚を傷めるのは回数より人用のシャンプー・すすぎ残し・生乾きの3つです
  • ゴールは洗い終わりではなく乾かし終わりです。乾かす工程も、洗う工程と同じだけ大事にしてあげてください
  • においや赤みが繰り返すときは、頻度を調整するより先に診てもらってください

数字は目安として持っておいて、あとはその子のにおいと手ざわりで決めてあげてください。迷ったときは、回数を増やすよりも、いまの1回をていねいに洗って、ていねいに乾かしてあげるほうが皮膚のためになります。

📚 出典・参考

この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。皮膚の状態が気になるときや、薬用シャンプーを使うときは、かかりつけの動物病院に相談してください。

Osanpo編集部の犬、源
著者
Osanpo編集部
相棒は源(ボストンテリア・8歳)
Keep & Share
あとで読み返したい方は保存、役に立ったらLINEでシェアを。