
犬はりんごを 食べても 大丈夫?1日 何切れまで? 皮と 種・ 芯の 取り方と、 ジュースの 注意点
芯と種を取った実を少しだけなら、犬はりんごを食べても大丈夫です。慣れてからの上限は、5 kg の子で 1 日約 2 切れ、りんご 1/4 個ほどです。ただ、いきなり上限まではあげず、初めての日はひと切れから試すのがおすすめです。
秋が深まるにつれて、店先に赤いりんごが増えていきます。皮をむく音がすると、台所まで様子を見にくる子もいますよね。同じ果物でもぶどうは絶対NGですが、りんごは少しなら、愛犬と一緒に楽しめます。気になる種の毒も、どのくらいで危ないのかを量で確かめておきましょう。
🍎 犬はりんごを 食べても 大丈夫?
気をつけるのは種と芯で、実ではありません。
アメリカの動物中毒センター(ASPCA)は、りんごを犬に有毒な植物に分類しています。ただ、毒があるとしているのは茎・葉・種で、実を危険とする記述はありません。別の中毒相談窓口も「芯と種を取れば、生でも加熱しても安全」としています。茎や葉にも毒があるので、庭や果樹園では、りんごの木の葉や枝もかじらせないようにしてください。
実そのものは 100 g のうち 84 g が水分で、カロリーは 53 kcal です。梨(38 kcal)の約 1.4 倍なので、あげられる量も梨より控えめになりますね。
⚖️ りんごは 1日何切れまで? 体重別の 量
初めての日は、ひと切れで様子を見るといいでしょう。慣れてきたら増やせますが、その上限は体重で決まります。おやつは「1日に必要なカロリーの10%まで」が獣医師の団体の目安なので、それをりんごの量に直したのが次の表です(8 等分のくし形 1 切れを約 30 g として計算しています)。

3 kg
- りんご(実だけ)
- 36〜45 g
- 1日の上限
- 1〜1.5 切れ(約 1/7〜1/5 個)
5 kg
- りんご(実だけ)
- 53〜66 g
- 1日の上限
- 約 2 切れ(約 1/5〜1/4 個)
8 kg
- りんご(実だけ)
- 75〜94 g
- 1日の上限
- 2.5〜3 切れ(約 1/3 個)
10 kg
- りんご(実だけ)
- 89〜111 g
- 1日の上限
- 3〜3.5 切れ(約 1/3〜2/5 個)
15 kg
- りんご(実だけ)
- 121〜151 g
- 1日の上限
- 4〜5 切れ(約 1/2〜3/5 個)
20 kg
- りんご(実だけ)
- 149〜187 g
- 1日の上限
- 5〜6 切れ(約 3/5〜3/4 個)
30 kg
- りんご(実だけ)
- 204〜254 g
- 1日の上限
- 6.5〜8 切れ(約 4/5〜1 個)
これはその日のおやつ全部の上限です。ジャーキーやボーロもあげる日は、そのぶんりんごを減らしてください。
幅は、活動量など犬ごとの違いによるものです。シニアや体重が気になる子は、小さいほうの数字が目安になります。なお、表の「1 個」はふじ(300 g 前後)で数えていて、皮つきであげるなら 1 切れが少し重くなるので、表より半切れほど少なめにすると安心です。糖尿病や腎臓病で療法食を食べている子は、表の量に関わらず、あげる前にかかりつけの先生に相談してください。
🔪 りんごの あげ方 (皮・種・芯)

- 芯と種を取る… いちばん大事なところです。芯は固く、丸のみすると詰まることがあります。種にも毒のもとが入っているので、芯と一緒に切り落としてください
- 皮は、子に合わせて… 皮に毒はないので、健康な成犬なら、よく洗って皮つきのままでも大丈夫です。ただ実より固いので、子犬・シニア・お腹の弱い子や初めての日は、むいてあげると安心です
- 小さく切る… 大きいまま丸のみしやすいので、小さく切ってあげましょう。子犬やシニアの子には、すりおろしてもかまいません

生のままで大丈夫なので、加熱する必要はありません。
🧃 りんごジュース・ 焼きりんご・ アップルパイは あげていい?

- ジュース… カロリーは生の実と同じくらいですが、食物繊維がほとんどありません。ふだんは生の実のほうがおすすめです。ジュースをあげるなら、果汁 100% のものを少しだけにしてください
- 焼きりんご… りんごだけを焼いたものなら、少しはあげられます。ただ水分が抜けるぶん、同じ重さで生の約 1.5 倍のカロリーになるので、量は生の実より少なめが目安です。砂糖やバターを使ったものは避けてください
- ドライりんご… 水分が抜けていて、同じ重さで生の約 4.6 倍のカロリーがあります。あげるなら、ほんのひとかけで十分です
- アップルパイ・ジャム… どちらも、あげるのは避けてください。同じ重さで、アップルパイは生の実の約 5.5 倍、ジャムは約 3.8 倍のカロリーがあり、パイは油脂も多いお菓子です
🏥 りんごの 種や 芯を 食べた・ 食べ過ぎたら
芯ごとかじった、大きなかたまりを丸のみした、体の小さい子が食べた——このどれかなら、元気に見えてもまず動物病院に電話してください。芯が詰まっていないかは、外からは分かりません。一方、種を数粒飲み込んだくらいなら、中毒の心配はまずありません(どのくらいで危ないかは「よくある質問」に書きました)。
実を食べ過ぎたくらいなら、多くはお腹がゆるくなる程度で済みます。元気と食欲があれば、まずはその日と翌日の便の様子を見てみてください。次のサインが出たら、動物病院に電話してください。
サイン / どう見えるか
- 吐く
- 何度も吐く。水も吐くなら急ぎ
- 食べない・元気がない
- いつもの食事に寄ってこない、ぐったりしている
- お腹を痛がる
- 触られるのを嫌がる、背中を丸める
- 便の様子がおかしい
- 下痢が翌日も続く、または数日出ない
柿も、量と種に気をつければ一緒に楽しめます。

💬 よく ある 質問
りんごの種には青酸配糖体という成分がありますが、1個分の種(8粒ほど)で中毒になる量ではありません。5 kgの子で少なめに見積もっても、症状が出うるのはかみ砕いた種がりんご20個分ほど、命に関わる量ならりんご90個分ほどです。それよりも心配なのは、芯ごと飲み込んだときの詰まりです。芯ごと食べた、体の小さい子が食べた、吐く・食べない・元気がない——このどれかがあれば、まず動物病院に電話してください。
皮に毒はなく、食品成分表でも「皮つき」のりんごは皮まで食べる部分として扱われています。皮つきのほうが食物繊維も少し多く、100 gあたり1.9 g(皮なしは1.4 g)です。健康な成犬なら、よく洗って皮つきのままあげても大丈夫です。ただ皮は実より固いので、子犬・シニア・お腹の弱い子や初めての日は、むいてあげるのがおすすめです。
あげるなら果汁100%のもの(ストレートでも濃縮還元でも)にして、量は少しで十分です。水で薄めると、量を抑えやすくなります。砂糖を加えた飲み物は避けてください。カロリーは100 gで43〜47 kcalと生の実と同じくらいですが、食物繊維がほとんどないので、ふだんのおやつには生の実のほうが向いています。
体重別の表の上限の中なら、毎日あげてもかまいません。表は、獣医師の団体が勧める「おやつは1日のカロリーの10%以下」をもとにした、その日のおやつ全部の上限です。なので、ほかのおやつをあげる日は、そのぶんりんごを減らしてください。毎日あげて便がゆるくなるようなら、量を減らすか、間をあけてみてください。
何歳からという決まりはありません。離乳が終わって、ふだんのごはんを問題なく食べている子なら、少量からあげられます。初めての日は、すりおろすか、ごく小さく切ったものをひと口から始めると安心です。なお、体重別の表は成犬の数字なので、子犬にはそのまま当てはまりません。
糖尿病や腎臓病で療法食を食べている子は、あげる前にかかりつけの先生に相談してください。りんごは100 gに糖が約12 g、カリウムが120 mg入っていて、療法食の設計に関わります。膵炎で脂肪を控えている子の場合、りんごの実そのものには脂肪がほとんどありません。ただ、アップルパイなど油脂を使ったお菓子はあげないでください。
犬がりんごでアレルギーを起こした報告は、探した範囲では見つかりませんでした。ただ、食物アレルギーはどんな食べものでも起こりえます。なので初めての日はひと切れまでにして、様子を見てみてください。かゆみ・下痢・嘔吐が出たら、りんごをやめて動物病院に相談してください。
「これが一番」という果物はありません。果物はどれもおやつなので、1日のカロリーの10%までにおさめ、その子のお腹に合うものを選べば十分です。柿・梨・みかんも、りんごと同じように皮・芯・種の扱いと量に気をつければ、少しなら楽しめます。ただし、ぶどう(レーズンも)は少量でも腎臓を傷めることがあるので、絶対にあげないでください。
📚 出典・ 参考
この記事は一般的な情報をまとめたもので、獣医師の診断・治療に代わるものではありません。持病のある子は、あげる前にかかりつけの獣医師に相談してください。
- 文部科学省「日本食品標準成分表」りんご/皮なし/生(53 kcal、水分 84.1 g、糖 12.4 g、カリウム 120 mg、廃棄率 15%:果皮及び果しん部)
- 同 りんご/皮つき/生(56 kcal、食物繊維 1.9 g、廃棄率 8%:果しん部)
- 同 りんご/果実飲料/ストレートジュース(43 kcal)
- 同 りんご/果実飲料/濃縮還元ジュース(47 kcal)
- 同 りんご/皮つき/焼き(86 kcal、果しん部を除いたもの)
- 同 りんご/ジャム(203 kcal)
- 同 アップルパイ(294 kcal、脂質 17.5 g)
- USDA FoodData Central「Apples, dried, sulfured, uncooked」(243 kcal)
- 農研機構「ふじ」——大きさは中で 300 g 前後
- WSAVA「Calorie Ranges for an Average Healthy Adult Dog in Ideal Body Condition」(体重別の1日の必要カロリー)
- AAHA「2021 Nutrition and Weight Management Guidelines for Dogs and Cats」——おやつとそれ以外は総カロリーの 10% 以下
- WSAVA「Nutritional Assessment Guidelines」(2011)——おやつが総カロリーの 10% 超は栄養リスク要因
- Merck Veterinary Manual「Feeding Practices in Small Animals」——おやつは総カロリーの 10% 未満
- ASPCA「Apple」——茎・葉・種にシアン化物(犬・猫・馬に有毒)
- Pet Poison Helpline「Friendly Fall Foods」——芯と種を取れば、生でも加熱でも安全
- Merck Veterinary Manual「Cyanide Poisoning in Animals」——青酸の経口致死量は約 2 mg/kg。植物をかみ砕くと毒が出やすい
- Bolarinwa et al.(2015)Food Chemistry——りんごの種のアミグダリンは 15 品種で 1〜4 mg/g、皮つきの果肉のジュースからは検出されず。人の急性中毒は 0.5〜3.5 mg/kg
- Manzoor et al.(2021)Scientific Reports——りんごの種の千粒重 44.83〜45.32 g(1 粒 約 45 mg)
- Ali et al.(2023)Heliyon——13 品種の 1 果あたりの種は平均 7.77〜8.03 粒
- Merck Veterinary Manual「Gastrointestinal Obstruction in Small Animals」——閉塞のサイン
- AAHA「2018 Diabetes Management Guidelines for Dogs and Cats」——おやつも1日のカロリーに含める



